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思い出のジュエリー

先日お客様から
思い出の詰まった宝石箱をお嬢さんと
思い出話をしながら眺めるのが
とても幸せだというお話を聞きました



そのお話を聞いて
私も子供の頃に母の宝石箱を開けて
中を覗くのが何よりも好きだった
ことを思い出しました





祖母のチェコスロバキアのお土産の
香り高い紅茶のようなガーネットを
花形に石座を留めたイヤリングや
母が初めて自分で買ったというカメオのブローチ
父がプレゼントしたスターサファイアのリングに
父と出会う前に別のボーイフレンドからもらった
トパーズなんていうものまであって
宝石箱には母の人生を感じさせるエッセンスがいっぱい




それらがどれくらい高価なものか
なんてわからないけれど
それらは冷たくそして確かな光を放ち
生きているのがはっきりわかるのでした




そのなかでもこっそりよく鏡の前で身に付けたのは
亡くなった祖父から16歳の誕生日に
もらったというパールのイヤリング


思い出のジュエリー_d0339681_11472209.jpg




祖父をティーンエイジャー時に亡くしてしまった
明らかにファザコンであろう母が
特に大切にしていたのがそのパールのイヤリングでした
でもある日 私はこっそりパールのイヤリングを身に付けて外出し
その1つを失くしてしまったのです




慌てた私は残った片方を
机の引き出しの奥に隠したのだけど
ある日母に見つかってしまい正直に告白することに




叱られるものだとばかりと思っていたけれど
母は責めるどころか
何も言わず ただうなだれるばかり


あぁどうしよう…



謝ることだけしか出来なくて とても反省して
いつか大人になったら
うーんと素敵なパールのイヤリングを
お祖父ちゃんの代わりに贈るんだ
と決意したけれど




もし私が 将来どんなに素晴らしいジュエリーを
母に贈ったとしても お祖父ちゃんの思い出が詰まった
ジュエリーを贈ることは永遠に不可能であることは
小学生の私にもよくわかったのでした



それをきっかけに
ジュエリーは記憶や想念が宿るもの
だからこそ人に影響を与える力を持ち 愛おしいものである

と心に残りました




宝石箱を開けて
1つ1つのジュエリーのストーリーを子供と語り合う
なんとも素敵な光景なんでしょうと思いました
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篠田恵美 ブログ


by angelina-kirei

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