″孔雀石”のはなし
誰にでも子供の頃に大好きで
何度も読み返した本があるかと思います
私が大好きだったストーリーは
ロシアの童話「石の花」でした
ウラル地方の若い石工ダニーラが
ただ精巧なだけではなく「魂の宿った」
石の花を彫りたいと願う物語です
彼を夢中にさせたのは、銅山の女王が持つという
この世のものとは思えないほど美しい石の花の噂でした
あの深い緑色の縞模様を持つ孔雀石(マラカイト)
物語の中でキラキラと輝いていたあの石のことを
大人になった今でも鮮明に覚えています

ダニーラが求めた「本物」の美しさ
ダニーラは才能ある石工でしたが
技術だけでは満足できませんでした
彼が求めたのは、石の「心」を理解し
生きた花のような作品を生み出すこと
そのために銅山の女王を目指して
全てを捨てて旅に出ます
今思えば彼の姿は 何かを極めたいと
願う全ての人の姿そのもので
理屈じゃなく、直感で「これだ!」と
感じるものを追い求める情熱に
突き動かされています
マラカイトは昔から「本質を見抜く石」として
大切にされてきました
あの縞模様は、まるで石の奥深くを
覗き込む「目」のようでしょう?
大人になった私が最初に
マラカイトを見た時
私が勝手に思い描いたイメージとは
随分違い拍子抜けしたものですが

ダニーラがマラカイトに
魅せられたのも、
きっとその神秘的な力に
導かれていたのかもしれません
「石の花」が教えてくれたのは、
究極の美しさとは
誰かに教わるものじゃなくて、
自分の内なる声に耳を傾けることで
だんだんと気が付き始めて
見えるようになってくるのかもしれません
誰にでも人生の選択に迷う時期はあるけれど
ダニーラのように
心からの声だと感じられたら
それを信頼して
ただ前へ進めばいいのだと
もう一度自分の心の声を
信じて進みたい時に
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